企画書は、最初からきれいな文章にしなくて大丈夫です。ChatGPTに「やりたいこと」「読んでもらう相手」「予算や期限」を渡せば、頭の中のメモを整理し、たたき台を作る相談ができます。
おすすめは、材料を整理する→構成を作る→弱点を直すの3ステップ。自分で白紙を埋める負担を減らし、何を提案するか、どこを直すかに力を使いましょう。
この記事では、架空の「部署内の勉強会」を例に、コピーして使える依頼文と企画書の見本を紹介します。特別な指示文を覚える必要はありません。
ChatGPTには「企画の相談」と「文章の整理」を頼む
「企画書を作って」とだけ伝えても、自分の職場で使える内容になるとは限りません。誰が読むのか、何を決めてもらいたいのかが伝わっていないからです。
OpenAIの公式ガイドでも、目的・背景・出力の形式・守ってほしい条件を、必要に応じて伝える方法が示されています。最初から完璧な依頼文にせず、回答を見て追加で修正していく使い方です。出典:OpenAI「Prompting」
今回の手順は、その考え方を企画書づくりに当てはめた編集部の提案です。ChatGPTには候補や文章を出してもらい、自分は「職場で実行できるか」「この内容で了承を求めてよいか」を判断します。
白紙の前で腕を組む時間を、出てきた案に赤ペンを入れる時間に変えるイメージです。

ステップ1:まずは「目的・相手・条件」をメモする
最初に用意するのは、文章ではなく短いメモです。分からない項目は「未定」と書けば進められます。
| 伝える材料 | 架空の記入例 |
|---|---|
| 何をしたいか | 部署内で仕事の工夫を共有する勉強会 |
| 解決したい困りごと | 人によって仕事の進め方が違い、工夫が共有されていない |
| 誰に読んでもらうか | 部署の上司 |
| 決めてもらいたいこと | まず1回、試しに開催してよいか |
| 条件 | 対象10人、30分、来月、社内会議室を想定 |
| 費用・担当 | 追加支出の上限案は5,000円。内訳と担当は未定 |
この段階で、企画の見栄えを気にする必要はありません。迷っている点も、そのまま相談の材料にできます。
コピーして使える入力例①:材料を整理してもらう
ChatGPTを開き、入力欄に次の文を貼り付けて送信します。まずは架空の例のまま試して構いません。
部署内の勉強会の企画書を作りたいです。次は練習用の架空の設定です。 ・目的:部署内で仕事の工夫を共有する ・困りごと:人によって仕事の進め方が違い、工夫が共有されていない ・読む相手:部署の上司 ・承認してほしいこと:まず1回、試しに開催すること ・対象:10人 ・時間:30分 ・時期:来月 ・場所:社内会議室を想定 ・追加支出の上限案:5,000円。承認済みではない ・費用の内訳、担当者、具体的な日付:未定 まず情報を整理し、企画書に必要な不足情報を重要な順に3つ質問してください。 まだ本文は書かないでください。 決まっていない内容や効果の数字を、事実として補わないでください。
質問されたら、分かる範囲で答えます。「テーマは資料整理」「担当はこれから相談」のような短い返答で十分です。答えがないときは「未定のまま残して」と伝えましょう。
そもそも何を企画するか決まっていないなら、「この困りごとを改善する案を3つ。必要な手間と気になる点も添えて」と頼み、候補を選ぶところから始められます。
企画の材料になる資料が長いときは、先に要点を整理すると進めやすくなります。ChatGPTに長い文章を要約してもらう方法も参考にしてください。
ステップ2:見出しを決めてから本文にする
材料がそろったら、同じチャットで構成を頼みます。ここで確認したいのは、文章のうまさより「何を判断してほしい企画なのか」が先に伝わるかどうかです。
社内の指定様式があれば、その見出しや順番を優先します。様式がないときは、次の7項目を出発点にしてみてください。
- 提案と承認してほしいこと
- 背景・課題
- 実施内容
- 日程・担当
- 必要な費用・作業時間
- 期待する効果と確かめ方
- 懸念点と対応
「効果」だけでなく「どう確かめるか」も入れておくと、実施後の振り返りにつながります。アンケートを取る、次回の会議で活用状況を聞くなど、小さな方法で構いません。
コピーして使える入力例②:構成からたたき台へ
ここまでの情報を使って、上司に初回開催の承認を求める企画書の構成を作ってください。 見出しは次の7項目にしてください。 1. 提案と承認してほしいこと 2. 背景・課題 3. 実施内容 4. 日程・担当 5. 必要な費用・作業時間 6. 期待する効果と確かめ方 7. 懸念点と対応 各見出しの下に、入れる内容を1〜2行で示してください。 未定の項目は「未定」、確認が必要な項目は「要確認」と記載してください。 追加のアイデアは「提案」と明示してください。
構成を見て、抜けや方向違いがなければ、次のように続けます。
この構成で、A4用紙1枚にまとめることを想定した本文のたたき台を作ってください。 簡潔なです・ます調にし、費用・日程・担当は箇条書きにしてください。 未定・要確認・提案の区別を残し、効果を断定しないでください。
「A4用紙1枚」は分量の目安です。実際に1枚に収まるかは、Wordなどに移した後、文字サイズや余白を含めて確認します。
企画書は、こんな形を目指す
以下は編集部が作成した架空の見本です。ChatGPTでの実測結果や実際の社内提案ではありません。入力例の条件を基に、実施方法の案を補っています。
部署内ミニ勉強会の試行について
1.提案と承認してほしいこと
仕事の工夫を共有する30分の勉強会を、来月1回試行したく、開催方針の承認をお願いします。日程・担当・支出は確定後に確認を受けます。2.背景・課題
人によって仕事の進め方が異なり、工夫が部署内で十分に共有されていないという課題があります。3.実施内容(案)
対象は10人です。進行は、目的説明5分、工夫の紹介15分、質疑10分を想定します。紹介するテーマは未定です。4.日程・担当
来月の開催を想定しています。具体的な日付、説明担当、進行担当は未定です。社内会議室の空き状況を確認します。5.費用・作業時間
追加支出の上限案は5,000円で、未承認です。内訳と支出の必要性は要確認です。全員が30分参加する場合、参加時間の合計は5時間分となります。準備時間は別途確認します。6.期待する効果と確かめ方(案)
他の人の工夫を知り、自分の業務に取り入れるきっかけを作ります。終了後に「試してみたい工夫」を聞き、後日の部署会議で活用状況を確認します。7.懸念点と対応(案)
準備の負担が増える可能性があるため、初回はテーマを1つに絞り、既存の資料を活用します。共有してよい内容かは事前に確認します。
10人×30分=300分、つまり5時間分。このように、支出以外の負担も見えると、上司が判断しやすくなります。AIが数字を出した場合も、計算と前提を自分で確かめましょう。
ステップ3:「上司が気にする点」を洗い出す
文章が整ったら、すぐ提出せずに一度点検します。「良い企画ですね」と言ってもらうより、説明が足りない部分を指摘してもらうほうが、この段階では役立ちます。
コピーして使える入力例③:弱点を直す
この企画書を、承認を判断する上司の視点で点検してください。 ・目的と実施内容はつながっているか ・費用、準備時間、担当、日程に抜けはないか ・効果を根拠なく断定していないか ・未定のままでは開催できない項目はどれか 重要な指摘を3つに絞り、それぞれに修正案を添えてください。 分からない事実は推測で埋めず、確認すべき相手や資料の種類を提案してください。
指摘を読んで、必要なものだけ採用します。「予算内訳を確認する」なら、実際に見積もりや必要物品を調べてから文章に反映します。AIにもう一度尋ねることだけでは、事実確認は終わりません。
仕上げには「『効率化を推進』などの抽象的な表現を、誰が何をするか分かる文章に直して」と頼むのも一案です。立派な言葉が増えたのに、やることが見えない企画書を防げます。
提出前に、自分で確認する4つのこと
OpenAIも、整った回答でも誤りや不足があり得るため、重要な数字・名称・日付・根拠を確認するよう案内しています。出典:OpenAI「Use ChatGPT」
- 数字と出典:費用、計算、効果の見込みに裏付けがあるか。参考URLがあれば実際に開き、内容まで確認する。
- 実行の条件:担当者の了承、日程、会場、予算を確認したか。「未定」が提出時に許容される相談なのかも判断する。
- 入力してよい情報:職場のAI利用ルールに従っているか。顧客情報や未公表の計画は、利用が認められた環境・範囲を確認してから扱う。
- 自分で説明できるか:「なぜこの方法なのか」と聞かれて、自分の言葉で答えられるか。
初回の方針相談なら未定を残せる場合もありますが、実施承認を求める段階では、必要な費用や担当が決まっているかが大切です。今回の見本も、そのまま実施に使う完成版ではありません。
ChatGPTは、考えが断片的で文章にまとめにくい人や、たたき台を早く見たい人に向く使い方ができます。一方、材料の裏付けがなく、内容を確認する人もいない状態では、文章だけを整えても判断には使えません。職場でAI利用が認められていなければ、この記事の7つの見出しを手で埋める方法でも始められます。
企画書に添えるメールも整えたいときは、ChatGPTでメール返信を作る方法で、依頼の仕方と送信前の確認ポイントを紹介しています。
まずは、架空の企画を1本作ってみる
最初の一歩は、この記事の入力例①を、そのままChatGPTに送ることです。質問に答え、構成を作り、弱点を直すところまで、架空の勉強会で練習してみてください。
仕事をしてきた中で感じた「ここを変えたい」は、企画の材料になります。最初の一文で立ち止まらず、まずは箇条書きから渡してみましょう。
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